座礁  野間池

2023年07月08日

座礁  野間池



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 野間池  赤丸は笠沙えびすポンツ-ン



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  ニュ-ペックスマ-トによる座礁地点  外堤防横の赤斜線は定置網の位置表示、 



  ヨットの座礁については、それが避けられないものであるかのように知たり顔にブログで書いてきました。 今回は起してはいけない恥ずかしいものでした。 3隻目のヨットになるのですが、前の2隻のヨットでも砂地への座礁を経験しています。 しかし、今度の事故は初めての岩への座礁であり、自分の責任が大きいというものでした。 外航の航海士の経験のある老生にとって、この座礁が当時の勤務中に起こした本船の座礁事故ならクビになっていただろうと思えるものです。

 その事故とは、2023年4月12日、下甑島長浜から野間池に向かっていた時です。南西の風のアビ-ム帆走で快調に港入り口まで来ました。外防波堤の突端に着きましたが、内港の入り口は見えずらかったので陸地へ接近した。 防波堤横にはイケスのような網が見えた。 ニュ-ペックスマ-トには5m水深の線が描れている。 上図の色の濃い水色区域。 2m水深ラインの表示は無い。 杭が4本設置されていたがその意味はこれより陸側は浅いということであった。 灯標によくある青赤ブイのようだと誤認してその間を通航すべき意図で杭の内側陸地側に寄ってしまった。 座礁である。 機関を後進いっぱいにしても抜けだせなかった。 その作業中に港から船外機付きの和船が出てきて、こちらに気が付き離礁作業に協力してくれる。30分ほど行ったが10馬力に満たない船外機でではロ-プで引き出せなかった。 その後養殖に使われる船首にクレ-ンの着いた20トン程度の作業船が出てきて、20mmのえい航ロ-プが切断したけれど、無事に深いところへ引っ張りだし救助してくれた。 岩の海底であったのでゴトンゴトンとぶつかりながらの作業であり心配があった。

 そこから笠さ恵比寿海の駅のポンツ-ンにヨットを係留した。 ビルジに水が貯まることは無かった。そこで潜って船底を確認したが、バラストがこすれて塗料がはがれ白くなっている。小生の潜水能力の不足ゆえに詳細な点検はできなかった。 その後に、救助のお礼に伺い、マルハニチロ会社のクロマグロ養殖に携わっている人々が助けてくれたのを知る。 最初の船はえさやりの船、引出してくれた船はイケスからの水揚げをする船であった。 ヨット積んであった焼酎を持参したのであるが、受け取ってもらえずに、お礼だけ終わってしまう。 その帰路に軽自動車にヨット関係のブランドが車体に描かれているのを見かけた。 ひょっとして業者の方かなと思い声をかけた。 なんと串木野で大変お世話にまったNdさんのお兄さんであった。 夜はお風呂に入れてもらい潜った塩を洗い、お酒と夕食をごちそういただいた。 不安な気持ちもこれで和らいだ。串木野に戻りそこで上架して船底の点検をすることにした。

 翌日に串木野に着き、クレ-ンの手配を地元のヨットマンに依頼してもらった。 あいにく1週間ほども待機となった。4月20日にクレーンが来て岸壁の横で吊上げてもらい、船底を点検した。 ガラス繊維の作業の職人さんにも見てもらった。 船底の亀裂やふくらみは無かった。ビルジも貯まらないようなので航行に支障はないようだ。 引き揚げ降ろし作業に串木野のヨットマンが総出で手助けしてくれた。 クル-ジング中の小生には本当に心強いものであった。 皆様ありがとうございました。 おまけにクレ-ン代も25000円で40トンクレ-ンとしては格安であった。口をきいてくれたおかげである。

 ニュ-ペックを船内のPCに作動させてヨットを出すのだが、シングルハンドではわざわざキャビンに降りてそれを見に行くことが少ない。ニュ-ペックスマ-トを手にして以来コックピットでスマホを握って航海をしている。 サブには古いスマホにナビオニクスを立ち上げて使う、これには通信環境を必要としないでGPSが使えるスマホならよい。 速度表示はナビオの方が大きく表示されわかりやすい。 港内表示はさすがにニュ-ペックの方が詳しい。 今回の野間池の水深表示が5mまでであるので、そのラインを警戒線としなければならなかった。 定置網表示の赤の斜線は、 上図のように少し大きめに表示されることが多いようで少し中に入っても経験上良いように思われる。 今回は網に寄って入港すべきであった。 また、グ-グルマップの航空写真を拡大すると野間池内港入り口陸側に昔の防波堤を壊した跡が判明している。ここにその時の破片・岩があるので避けるべきであろう。



     ロングクルージングと座礁



     202-7-8