高校生のときの私

  高校のときの私

 

 もう60年も前の話を取り上げるのは笑止千万とはこのことでしょう。 小生には受験勉強になじめずに苦悶した時代でもありました。 実はナマケモノであっただけ。 今思えば、学生の本分に従って努力してきた人には結果的に、半世紀経っても少しは報われた世代でもありました。  しかし時代が変わる。 チャットGPTが誕生してきた現今では、まだどうなるかは分かりませんが秀才の職業は無くなっていくでしょう。 弁護士、医者、会計士、官僚など既存の知識を活用していくものがそうなる。AIを使いこなせる人材や子供の博士ちゃん的の人材が求められるようになるか。 産業革命のような大きな変動が起きるのかもしれませんね。

 以下は小生の過去のブログを再掲いたします。 

              2024-4-14



 1.  高校の音楽と人生の楽しみ
 


 高校の世界史で歴史好きが嫌いになった話を先ほど書きました。 今度は音楽の授業で人生の楽しみを見つけたお話です。高校2年生の時に音楽史をメインに教材が作られていました。(ああ なんと60年前かと...)最初はグレゴリオ聖歌で始まります。何とか修道院聖歌隊のレコードでした。

 

 ワンダ・ランドフスカヤ  1879-1959


 お経のようで,今までに聞いたことのない響きで感動でした。それからランドフスカヤのチェンバロです、なんて繊細で微妙な音楽なんでしょう。心と耳に衝撃を受けそれ以来老人になるまで、オーケストラは好きになれませんでしたが、古楽バッハの音楽を楽しんで過ごせました。


 出来の悪い生徒でしたので、他の科目では何も得ることはなかったです。もっと後になるまで、自分が音痴であるとは気が付きませんでしたが、ヘタの横好きは続きました。普通こういうことをかく人は何事をなした人の若い時のエピソードでしょう。 スミマセン。ただ無駄に過ごした老人の話です。

 昨年にレオンハルトの亡くなる前の最後の日本公演を聞くことができました。アンコールなんか一切しない演奏会でしたが、淡々と端正なチェンバロ曲を聴くことができました。人の持つ感性は様々で、眠たい音楽を授業で聞かされ退屈した生徒も多かったでしょうね。我が人生としてはありがたかった授業でした。
 ライプチヒで開かれているバッハ音楽祭には死ぬまでにいけるのでしょうか......。

  グレゴリオ聖歌  ベネデイクトス    シロスモンセラート合唱団   4分
  http://www.youtube.com/watch?v=_MbDqc3x97k&list=PL7459B90AE9B9F837&index=11
 


     2013-8-5



   2. 高校のクラブと美術


 カラヴァジオ 1571-1610


 昨年からブログを380本(今は1000本)近く書いてきました。訳のわからない古楽やら線香ただよう宗教音楽、この先には老人の遊びと化しそうな(なった)ヨットの話、絶滅した外航船員のおはなしをアップしてまいりました。まだ美術関係のブログを書いたことはありません。実は私は高校のときには美術クラブに入っておりました。デッサンもまともに書けないような部員でしたが、油絵を中心とした活動をしていました。卒業までまともな作品・絵はひとつとして描けませんでしたが。


 でもクラブは活発なクラブでした。当時は、施設・ハコモノがまだ貧弱な時代で、県にひとつしかない美術館に定期展示会をもっていて,他高や美術団体からうらやましがられていました。 受験校でしたので、学校の方針として受験第一ですから、活発なクラブはご迷惑という方針で、部活動にいろんな規制をかけられておりました。 落ちこぼれの生徒でしたので、クラブに行くことのみが楽しみで、また受験のもろもろの空気に反発しながらも、それがあるので学校に行けていたようなものでした。 クラブでイベント・展示会に向かって、皆でやることはその後の人生に役立ったように思います。

 でも卒業以来だんだんと美術そのものは興味が薄れていき、美術館へも滅多にいかなくなりました。人生の楽しみにはそれはなれませんでした。自分の楽しみ・興味はヨットや古楽のほうに向いて生きてきました。だからこのブログにあげることが少ない理由でしょう。古楽と同じでバロックルネッサンスの絵画は好きです。

 歳を重ねて老人になってから考えてみますと、高校段階のクラブは大切なものです。その後の人生に大きな影響を与えることがあります。クラブの同級の男子5人のうち3人は美大にすすみ、その後、絵で一生生活しているのですから。自分が好きで努力もしないで、できるものを早くみつけて、高校にそんなクラブがあるなら、入ってやっていくべきでしょう。

   2014-11-5



   3. 高校の歴史教科書
         

 本屋さんで;東大のデイープな日本史という本を見つけました。もちろん東大を目指しているのではありません(笑)。他大学の入試問題はどうなったんでしょうね。老人になった小生が何10年前かに受けた3流大学の問題とは明らかに違っていました。これだと暗記ではない相当な認識を要求されます。

                  講談社


 この年になるまで歴史好きで来ました。しかし高校の時の世界史の教科書はひどかったです。世界史なので量的なものが多くなるためもあるのでしょう。受験のための歴史語彙が羅列してあるばかりで、すっかり歴史が嫌いになりました。 成人してヒッテイの”アラブの歴史”を読み、こんな教科書なら若い時にもっと歴史が好きになったでしょう。友人に薦めたらすっかりアラブ通になりました。

 世界史は今の高校では受験に必須の科目の位置にあるようです。高校の歴史をもう少し細分化して、日本史・ローマ史・アラブ史・西欧近代史・中国史などひとくくりで学べる意義のある単元に区切る必要があると思います。


 高校程度の知識では抜けた分は自分で十分補えます。たとえばローマ史だけ丁寧に学べば人生に役立ちますね。


                      2013-7-28
  

      慶応大学入試