フェートン号事件と捨て足軽
Phaeton 長さ39f 乗員280名 砲数38門
「捨て足軽」という言葉に興味を持ち調べてみた。 フェ-トン号事件という出来事が幕末開国の50年ほど前に起きた。 英国フリゲ-ト艦がオランダ船籍を偽装して長崎に入港。その事件は出島のオランダ人を人質にとり水などを強要補給して出港した事件です。その時には長崎警備を請け負っていた佐賀藩は藩の財政逼迫のゆえに千名の兵の1/10しか配備していなかったので何も対処できなかった。それを契機に佐賀藩は藩政改革をして近代化に取り組み幕末最強の兵備を備えて維新に貢献した。 フェ-トン号事件後に佐賀藩と福岡藩は「捨て足軽」という自爆攻撃を考えて外国船に対処しようとした。先の大戦の特攻兵器のようなものです。 日本人は窮すればこのように考えがちになるのでしょうか?
当時の欧州情勢はフランス革命により欧州には王政を打倒して共和制に変える動きが活発になります。 オランダもフランスに支配されてバタビア共和国になった。家康と交易協定を結んだオランダ王国は無くなっていました。 従いバタビアからは仏英の中立国の米船をオランダ船と偽り交易をしていた。英仏対立でフェ-トン号はオランダ船の拿捕を目的として長崎に来航したのです。
フェ-トン号関連歴史年表
1760 イギリス産業革命
1775 アメリカ独立戦争
1787-99 フランス革命
1789 ワシントン米大統領就任
1798 ナポレオンのエジプト遠征
1799 オランダがフランスに負けて属国・バタヴィア共和国になる
1808 フェートン号事件
1811 英国のジャワ攻略
1818 ゴルドン浦賀来航、英国との通商要求
1824 水戸大津浜と薩摩の国宝島に英国捕鯨船乗組員が上陸
1825 外国船打ち払い令
1853 ペリ-来航
フェートン号航海日誌 元船乗りの小野三平氏が翻訳
石橋正明氏が30年ほど前に偶然にフェ-トン号の航海日誌が長崎図書館にあることを知り複写を手に入れた。長崎在住の元船乗りの小野三平氏が戦前に翻訳されたものがある。
最近のインタ-ネットとデジタル改革でそれの解読を石橋氏は続け進んだ。 彼は「フェ-トン号記念館」という興味深いサイトに関連することを発表されています。 薩摩の密貿易の件もおもしろい。
小生のような薄ペラい郷土史と違い、専門家のような読み応えのあるものになっています。
フェ-トン号記念館
https://phaetonmuseum.com/
幕末の国際情勢とペリ-来航
http://hayame.net/custom21.html#spb-bookmark-532
2021-2-16